日米協会からのお知らせ

お二人の逝去を悼んで 会長 藤崎一郎

二人の巨人が去られました。米国と日本。お一人は学会、もう一人は経済界の傑出したリーダーでした。ともに90歳。しかしお二人は日米関係全般に大きな貢献をされ足跡を残された意味で共通点がありました。もちろんエズラ・ボーゲル教授と当協会の顧問の槙原稔元三菱商事会長です。

ボーゲル教授は1979年に有名な「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を執筆しました。残念ながらその通りにはなりませんでしたが、多くの日本人に勇気と自信を与えました。政界、経済界、言論界、学会に多くの友人がいました。ハーバードへ留学した多くの日本人はボーゲル先生の家で先生と闊達に談論するのが楽しみでした。ハーバードに伺ったとき、マンスフィールド大使がされていたようにあの碩学が自らコーヒーを入れて下さり、恐縮しました。2年前に来日されたとき弟子の方たちが集まって米寿の祝いをされ私も招いて頂いたときの写真が下のものです。

槙原元会長も日米関係への貢献が大でした。セントポール高校からハーバードを卒業された英語は格調高く立派でいつも感心させられました。日米経済協議会の会長や三極委員会の日本側代表を長く勤められ日米関係全般に目を配られました。

お二人の共通点は後進の育成の努力を傾注されたことです。ボーゲル教授はご自宅を中心とするボーゲル塾で、槙原さんは日米文化教育会議カルコンのリーダーを長く勤められました。

お二人のご逝去は残念です。残された私どもは精一杯お二人のご遺志を継いで両国関係の発展のために努力していきたいと思います。お二人のご冥福を祈ります。

 

藤崎 一郎